胃がんの全摘出手術をすると再発の心配はないのか?
胃がんの治療では、しばしば胃の全摘出が行われます。早期がんと診断されても、手術で胃を全摘出する場合があります。どのようなケースで、胃の全摘出は行われるのでしょうか?胃を全摘出すれば、再発の心配はないのでしょうか?
胃の上部に発生した胃がんは全摘出になることが多い
胃がんの手術で、胃を全摘出するケースには、2通りあります。1つは、胃がんが進行していて、粘膜を越えている場合です。粘膜を越えていると、胃の全摘出が検討されます。
ステージ3以降の進行した胃がんはもとより、手術前にステージ2と診断されたケースでも、手術を始めて、予想以上に進行していたことが判明した場合は、全摘出に変更されることがあります。
もう1つは、がんが、胃の上部に発生していた場合です。胃の上部に発生した胃がんは、早期がんでも、胃の全摘出手術になることが、多いとされます。ちなみに、早期がんで、胃の下部付近に発生したがんは、胃の一部を残すことが、可能です。
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胃を全摘出しても再発する可能性はある!多いのが腹膜再発
胃がんの再発で、よく見られるのが、「残胃がん」と呼ばれるものです。胃がんの手術で、胃の一部を残した場合、残った部分に胃がんができるのを、残胃がんと呼んでいます。残胃がんは、必ずしも前の胃がんと同じものではなく、新たに発生した、別のがんであるケースも、多いとされています。胃を全摘出した場合は、残胃がんの心配はありません。
ただし、胃の全摘出手術が適応されるのは、ステージでは、がんが進行して、粘膜を越えている場合です。胃壁をがんが突き抜けてしまっている状態が多くなり、大半のケースでリンパ節への転移が見られます。手術で胃を全摘出しても、リンパや血液を経由して、がんが体の他の部位に飛んでいることが、少なくありません。
特に多いのが、腹膜再発です。がん細胞が、すでに胃壁を突き抜けてお腹の中にこぼれ落ちていた場合、手術で胃を全摘出しても、がんがお腹の中で育ってしまいます。
腹膜再発は、特にスキルス胃がんなどの悪性度の高いがんでよく見られます。腹膜再発が起こると、腹水で気づかれるケースが多いと言われています。腹膜再発した胃がんは、ステージ4の末期がんと診断されます。
今回のまとめ
胃がんの手術で胃を全摘出するのは、胃の上部にがんができていた場合と、がんが粘膜を越えている場合です。胃の上部にがんができた場合は、早期がんでも胃の全摘出をすることが多いとされます。胃を全摘出すると、残胃がんの不安は無くなります。
ただし、がんが胃壁を突き抜けてしまっている場合は、胃を全摘出しても、再発の可能性はあります。特に胃がんで多いのが、腹膜再発です。
腹膜再発は、スキルス胃がんなどの悪性度の高いがんでよく見られます。腹膜再発した胃がんは、ステージ4の末期がんと診断されます。
→胃がんステージ4の余命は?抗がん剤や手術でどこまで回復する?
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