盲腸の手術後に便秘になりやすい理由?腸閉塞の可能性は?
盲腸の手術を受けると、術後に便秘になる人は、稀ではありません。盲腸の手術を受けたのが、何年も前のことでも、便秘になったら、関連づけて考える必要があります。便秘になりやすいのは、どうしてでしょうか?
腹腔鏡手術では、術後に便秘になる頻度は高くない
盲腸の手術といっても、近年は、腹腔鏡による手術が増えてきました。腹腔鏡手術では、お腹に約1cm前後の傷を数箇所つけて、穴を開けます。穴の1つから腹腔鏡を挿入して、腹部の中をテレビモニターに映します。テレビモニターを見ながら、別の穴から、鉗子を使って、手術します。鉗子は、細いマジックハンドのような器具です。
腹腔鏡手術では、腸を外気に晒すことはありません。開腹手術との違いは、腸を外気に晒すかどうかです。腹腔鏡手術で盲腸の切除を行なった際は、術後の快復が早いだけでなく、術後に便秘になることも、きわめて少ないとされています。
外気に晒されると、大腸と腹膜は癒着しやすくなる
開腹手術で虫垂の切除を行なった場合、腸は、外気に晒されます。外気に晒された内臓は、隣り合っている臓器とくっつきます。癒着です。癒着が、特に起きやすい箇所は、大腸と腹膜です。盲腸の手術を含め、婦人科疾患の手術や胃潰瘍・十二指腸潰瘍の手術などを受けると、大腸と腹膜の癒着が起こりやすくなります。
大腸と腹膜の癒着は、腸管癒着症と呼ばれています。腸管癒着症は、開腹手術の3~4日後から発生しうるトラブルです。時間が経過したから安心とは言えません。腸管癒着症は、開腹手術の後、10年以上経過した頃に、起こるケースもあります。
スポンサーリンク
→盲腸術後のお風呂はいつから入れる?ガスが出たら完治と考えてOK?
腸管癒着症による便秘!腸閉塞の可能性もあり
腸管癒着症になると、腸の内容物が順調に肛門へと移行せず、お腹が張った感じがするようになります。便秘です。腸管癒着症による便秘は、食事を改善したら解消するとか、運動したら良くなるといったものではありません。下剤を服用しても、効果が薄くなることが、珍しくありません。
癒着の部位や程度によっては、腸が折れ曲がったり、捻れたりしていることがあります。腸閉塞です。重症の腸閉塞では、再び手術を行うことがあります。盲腸の術後の腸閉塞は、腹膜炎を起こしている盲腸の場合に、発生の確率がやや高くなるとされています。
今回のまとめ
盲腸の手術を受けると、術後、便秘になることが、少なくありません。腹腔鏡手術では、術後に便秘になることは、きわめて少ないものの、開腹手術では、術後、10年経過した頃に、便秘になることもあります。
便秘になるのは、大腸と腹膜が癒着するためです。大腸と腹膜の癒着は、腸が外気に晒されたことで、引き起こされます。腸管が癒着した部位や程度によっては、腸閉塞の可能性があります。腸閉塞の重症例では、再手術が必要になります。
スポンサーリンク
↓ ↓ ↓