盲腸の術後の発熱・腫れ・便秘は合併症の兆候なのか?
盲腸の手術というと、簡単なものという印象を持つ人は、多いのではないでしょうか?手術時間が短く、入院期間も短い。そう思っていると、術後に、体調が変化して、入院期間が長引くことがあります。合併症です。
実は合併症の発生率は低くない
盲腸の術後の合併症には、傷口からの感染、腹腔内腫瘍、遺残膿瘍、腸閉塞などが、あります。腹腔内腫瘍と遺残膿瘍は、お腹の中に膿があるための不調です。違いは、膿がいつ溜まったかということ。腹腔内腫瘍は、新たに膿が溜まり、遺残膿瘍は、手術前からお腹の中に溜まっていた膿が、残ったままになっている状態です。
盲腸の術後の合併症の発生率は、10~20%とされています。ただし、手術時に、すでに腹部全体に炎症が広がっている、腹膜炎に至っている場合は、合併症の発生率は上がります。腹膜炎を併発している時は、術後の合併症の発生率は、36%だったとする医療機関もあります。
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腹膜炎を起こしていると、腸閉塞を合併する確率がやや高くなる
開腹手術の術後は、腸と腸、腸と腹壁がくっつき、癒着が起こります。癒着によって、腸の一部が狭くなり、腸の内容物が詰まる病気が、腸閉塞です。腸閉塞を発症すると、お腹が張った感じがし、痛みが出たり、吐き気が生じたりします。
手術時に、腹膜炎を起こしていると、術後に、腸閉塞を合併する確率が、やや高くなるとされています。腸と腸、腸と腹壁が癒着している部位や程度によっては、腸が折れたり、捻れたりすることがあります。腸が折れたり、捻れたりした場合は、手術が必要になります。
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膿が体内に溜まると、だらだらと微熱が出る
盲腸の術後の合併症で、比較的高い割合で発症するのが、遺残膿瘍です。特に、虫垂に孔が開いてしまった穿孔性虫垂炎の場合に、遺残膿瘍は起こりやすいとされています。遺残膿瘍を発症すると、発熱します。再手術が必要になるケースもありますが、抗菌薬による治療も可能です。
腹腔内腫瘍も、体内に膿が溜まることによる不調です。術後、だらだらと微熱が続いたり、粘液便が出ることがあります。小児であれば、薬のみで治癒することがあります。
今回のまとめ
盲腸の手術は、術後に、合併症が比較的起こりやすいとされています。比較的高い割合で起こるのが、遺残膿瘍。それより頻度は低いものの、腹腔内腫瘍、腸閉塞なども、盲腸の術後に引き起こされる、合併症です。合併症の発生率は、10~20%とされています。
遺残膿瘍や腹腔内腫瘍のように、お腹の中に膿があることで引き起こされる病気は、発熱します。また、腸閉塞では、便秘はもとより、お腹の張りや吐き気が、見られます。
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