癒着性イレウスの食事療法!予防に効果的な食事と術後の食事内容は?
イレウスは、再発率の高い病気です。再発率は、40%を超えるとされます。消化管の開腹手術や婦人科疾患の手術の後、腸が癒着し、狭くなっていることがあります。
狭くなっている腸内を、食物がうまく通過できないと、イレウスを起こします。癒着性イレウスです。癒着性イレウスの予防には、食事療法が欠かせません。
乳酸菌を多く含む食品を積極的に摂る
イレウスを予防するために大切なのは、腸を詰まらせないことです。腸を詰まらせないためには、2つのことに注意しましょう。1つは、規則正しい排便習慣をつけること。もう1つは、腸に長く停滞する食べ物を摂らないようにすることです。
規則正しい排便習慣をつけるには、通常、食物繊維を摂取すると良いとされています。ただし、癒着性イレウスの食事療法では、食物繊維の摂取の仕方には工夫が必要です。腸の機能が低下している時は、食物繊維を摂取しすぎると、かえって腸を詰まらせることになるためです。
排便コントロールには、腸内環境を整えることが大切です。腸内にある善玉菌を増やしましょう。悪玉菌よりも善玉菌が多い状態が、好ましい腸内環境です。善玉菌を増やすように、乳酸菌が多く含まれている食品を、積極的に摂りましょう
ヨーグルト、ぬか漬け、味噌などが、乳酸菌を多く含みます。
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消化の良いものを、適量、よく噛んで食べる
イレウスは、腸管に通過障害が起こった状態です。食べ物には、通過障害を起こしやすいものがあります。通過障害を起こしやすい食べ物を避けることが、癒着性イレウスの食事療法の基本です。
通過障害を起こしやすいのは、腸に長く停滞する食べ物です。消化されにくいもの、水分を含むと膨らむものなどが、腸に長く停滞します。たとえば、餅は、水分を含むと膨らみます。
消化されにくい食べ物は、コンニャク、不溶性食物繊維の野菜、キノコ、海藻、イカ、タコ、脂肪の多い肉、脂っこい料理です。不溶性食物繊維の野菜の代表は、タケノコ、ゴボウ、レンコンなど。繊維が硬い野菜です。繊維が硬い野菜は、一般に便通に良いとされています。しかし、術後癒着で腸が狭くなっていると、イレウスを起こす危険性があります。摂取する時には、細かく刻み、少量を、よく噛んで食べるようにしましょう。
消化の良い食べ物は、穀類では、白米、うどん、ひやむぎなど。肉は、脂の少ない赤身。鶏肉なら、ムネ肉やささみ。豚肉や牛肉は、モモ、ヒレ、ひき肉など。魚は、白身魚が好ましいとされていますが、アジ、サバ、イワシは、少量ならOKです。豆腐や卵は、積極的に摂りましょう。果物は、柑橘類以外は、OKです。
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今回のまとめ
癒着性イレウスを予防するには、食事療法が欠かせません。食事療法で注意することは、2点。規則正しい排便習慣をつけるため、腸内環境を整えること。消化の良いものを、適量、よく噛んで食べること。
腸内環境を整えるには、乳酸菌を多く含む食品を積極的に摂るようにしましょう。消化の良い食べ物は、腸に長く停滞しない食べ物です。一般的に便通予防に効果があるとされる、コンニャクや不溶性食物繊維の野菜は、消化されにくいので、好ましくありません。食べる時には、細かく刻んで、少量を摂るようにしましょう。
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