潰瘍性大腸炎とクローン病の違いを比較!
消化管の慢性炎症性疾患で、難治性の病気に、潰瘍性大腸炎とクローン病があります。潰瘍性大腸炎とクローン病を合わせて、炎症性腸疾患と呼ぶことがあります。
昔は、いずれの病気も、同じ病因から生じる、同じ病気と考えられていました。今日では、潰瘍性大腸炎とクローン病は、全く異なる、別の病気であることが、判明しています。
潰瘍性大腸炎とクローン病の違いは、何でしょうか?
潰瘍性大腸炎とクローン病の違いは炎症の起こりうる部位
潰瘍性大腸炎もクローン病も、消化管に慢性の炎症が起こる病気です。慢性の炎症が起こりうる部位が、潰瘍性大腸炎とクローン病では、異なります。
潰瘍性大腸炎は、ほとんどが、大腸に病変が生じます。特に、病変が多いのが、直腸から結腸にかけてです。潰瘍性大腸炎では、炎症は、直腸から始まって、奥にある結腸へと連続的に炎症が広がるのが、特徴です。
ごく稀に、小腸や十二指腸に病変が起こることもありますが、それ以外の消化管に病変が生じることは、ありません。
クローン病では、炎症はすべての消化管に起こりえます。食べ物を摂取して、排泄するまでが、消化管です。
食道や胃に病変が生じて、胃カメラから診断がつくことがあります。口の中に病変ができることもあります。肛門に病変が生じることも多く、痔の治療経過が悪いことから、クローン病の診断がつくことがあります。
最も炎症が起こりやすい部位は、回腸から大腸にかけてです。この部位に炎症が起こっているケースは、クローン病全体の45%とされています。
スポンサーリンク
→潰瘍性大腸炎だと保険の加入は無理?手術後5年以降だと入れる?
炎症の深さと主な症状
潰瘍性大腸炎とクローン病の違いは、炎症の起こりうる部位だけではありません。炎症がどのくらいの深さまで達するかにも、違いが見られます。
潰瘍性大腸炎は、炎症は、比較的浅く、粘膜までです。粘膜がもろくなり、小さな刺激で粘膜から出血し、びらんや潰瘍を起こします。大腸に地図状の浅い潰瘍が多発するのが、潰瘍性大腸炎の特徴です。
潰瘍性大腸炎の主な症状は、血便、粘血便、粘液便。下痢や腹痛なども、潰瘍性大腸炎に罹ると、よく見られる症状です。
クローン病は、炎症が深いのが、特徴です。炎症は、消化管の筋層まで達します。
クローン病では、小腸や大腸に、細長い潰瘍や小さな丸い潰瘍が多発します。進行すると、腸管が狭くなります。クローン病の主な症状は、下痢や腹痛、発熱です。
今回のまとめ
潰瘍性大腸炎とクローン病は、炎症性腸疾患として、一括りにされることがあります。ただし、病態には、違いが見られます。潰瘍性大腸炎は、主に大腸の粘膜に炎症が発生する病気です。
炎症は、比較的浅いのが、特徴です。主な症状は、血便、粘血便、粘液便です。クローン病は、消化管の全てに病変が生じ得ます。
好発部位は、回腸から大腸にかけてですが、口や食道、胃、肛門などにも、しばしば炎症が発生します。炎症は、筋層まで達する深いものであるのが、特徴です。
→潰瘍性大腸炎の食事!コーヒーや紅茶等の飲み物を取ると下痢をする?
スポンサーリンク
↓ ↓ ↓