上部消化管出血の原因!症状は吐血や貧血?
消化管とは、食べ物を摂取してから排泄するまでの器官を言います。消化管は、上部消化管と下部消化管の2つに分類されます。
食道・胃・十二指腸が、上部消化管。小腸・大腸・肛門が、下部消化管です。上部消化管出血が引き起こされるのは、どのような原因によるのでしょうか?症状は、どのようなものでしょうか?
最も多いのは消化性潰瘍
上部消化管出血は、大量出血の場合が多く、消化管出血の約80%を占めるとされています。上部消化管出血の原因になる疾患には、さまざまなものがあります。
最も多いのは、消化性潰瘍です。消化性潰瘍とは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のことです。十二指腸潰瘍による上部消化管出血は、全体の20~30%、胃潰瘍による上部消化管出血は、全体の10~20%とされています。
次いで多いのが、胃または十二指腸のびらんで、20~30%。胃の粘膜の防御因子を低下させる要因としては、飲酒・喫煙・ストレス・カフェインなどが、知られています。
びらんに次いで多いのが、静脈瘤です。食道静脈瘤や胃静脈瘤からの出血も、少なくありません。上部消化管出血の原因の15~20%と言われています。食道静脈瘤は、肝硬変の既往がある人に見られます。
多量の飲酒によって引き起こされる疾患に、マロリーワイス症候群があります。マロリーワイス症候群は、嘔吐を繰り返した際にできた、粘膜の傷から出血するものです。上部消化管出血の原因の5~10%とされています。
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症状は吐血や下血、徴候としての貧血
消化管出血は、身体の深いところで出血が起きているため、症状に気づくことが、難しいと言えます。消化管から出血していることを、直接確認しやすいのは、血便ですが、血便は、下部消化管出血の症状になります。
上部消化管出血が起こった場合、血は、胃酸の影響を受けて、変色するのが、特徴です。口から血を吐く吐血では、吐き出された血は、コーヒー残渣様の吐物となります。
ヘモグロビンが胃酸によって、褐色のヘマチンに変化するためです。下血として、便に混じって排泄される場合は、黒いタールのような便になります。タール便と呼ばれます。
下血が起こった場合は、約100~200㎖の出血が生じているとされています。
吐血や下血などの症状がない場合、もしくは少量で気づかない場合は、慢性的な出血が続くため、体内の鉄分が不足して、鉄欠乏性貧血を引き起こす可能性が高くなります。
貧血の主な症状は、疲れやすさ、動悸、耳鳴り、めまい、立ちくらみなどです。
→小腸がんの初期症状は痛みも何もない?血液検査のみで分かる?
今回のまとめ
上部消化管とは、食道・胃・十二指腸を指します。上部消化管出血を引き起こす原因としては、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃や十二指腸のびらん、胃や食道の静脈瘤、マロリーワイス症候群などがあげられます。
上部消化管出血は、大量出血になる場合が多く、主な症状は、吐血や下血です。吐血や下血の症状がなかったり、出血量が少なくて気づかない場合は、慢性的な出血が続き、貧血を引き起こす可能性が高くなります。
疲れやすさを感じたり、動悸・耳鳴り・めまい・立ちくらみなどの症状が見られたら、貧血の疑いがあります。
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