絞扼性イレウス手術後の再発率の確率!予後に注意すべき点とは?
激しい腹痛や強い異臭がある嘔吐に悩まされる絞扼性イレウス。手術が必要になる病気です。手術は、診断がついたら、即座に行われます。
小児の症例では、発症後16時間以内に手術がなされた場合、すべてのケースで血流が戻り、腸を切除する必要は無かったとの報告があります。
ただし、手術が成功しても、その後、問題がしばしば発生します。どのような問題でしょうか?予後に注意すべき点は、何でしょうか?
イレウスの手術でイレウスになる
イレウスは、腸の一部が狭くなり、腸内に入ってきた食べ物や水分、腸液、ガスなどが、詰まってしまう病気です。腸管が閉塞すると同時に、腸間膜も締め付けられるのが、絞扼性イレウスです。
腸間膜の中の血管によって、腸管は栄養を受けています。腸間膜が締め付けられると、腸管は栄養を受け取ることができず、壊死に陥ります。
絞扼性イレウスでは、腸管自体の血行障害を起こし、壊死した部位から腹膜炎を合併するので、急激に全身状態が悪化します。
そのため、緊急手術を行います。開腹手術になります。癒着を剥離し、腸の絞扼を解除します。手術の最大の山場は、腸の絞扼を解除した後、血流があるかどうかです。
腸管の色が赤みを帯びてこない場合、回復は見込めないため、壊死した部分の腸を切除し、吻合して、人工肛門を造設することになります。
他の種類のイレウスでは、診断がついた直後に手術を行うということは、通常、ありません。術後に、イレウスを再発する確率が高いからです。
開腹手術は、腸管が癒着するリスクを高めます。
癒着によって、腸管は閉塞します。イレウスの手術をしてイレウスになるという悪循環が生じます。イレウスの再発率は、40%超とされています。高い再発率です。
スポンサーリンク
予後に注意すべき3つのポイント
絞扼性イレウスの手術の予後は、あまりよくありません。壊死状態にもよりますが、腹腔内に膿瘍があれば、菅を挿入して持続的に体外に吸引する必要があります。
腸管が壊死した際に流出した毒素が血液に入ると、敗血症となります。毒素が腎臓に回ると、急性腎不全となります。
多い合併症は、イレウスです。イレウスの再発を防ぐには、予後に注意すべきことが、3つあります。
1.消化に悪いものをあまり食べないこと。
消化に悪いものとは、腸に停滞しやすい食べ物です。繊維質の多いもの、脂っこいもの、水分と一緒に摂取すると体内で膨らむものが、腸に停滞しやすいものです。水分と一緒に摂取すると体内で膨らむ食べ物としては、餅があげられます。
2.よく噛んで食べること。
大きな塊は、腸内で引っかかります。よく噛んで食べると、食べ物が腸の中を通過しやすくなります。
3.よく動くこと。
体を動かすと、腸の蠕動運動を促します。
今回のまとめ
腸管自体の血行障害を伴う絞扼性イレウスでは、急激に全身状態が悪化するため、緊急手術を行って、腸の絞扼を解除します。
ただし、開腹手術を行うことで、腸管が癒着するリスクが高まります。腸管が癒着すると、イレウスが再発してしまいます。イレウスの再発率は、40%超とされています。
イレウスの再発を防ぐには、3つの点に注意して生活することが大切です。消化に悪いものをあまり食べないこと、よく噛んで食べること、よく動くことです。
絞扼性イレウスは、予後があまり良くない病気です。腸を労わる生活を送ることが大切です。
スポンサーリンク
↓ ↓ ↓