十二指腸憩室の原因・症状・治療法!
胃のX線造影検査や内視鏡検査で、偶然発見されることが多い病気に、十二指腸憩室があります。
予期せぬ病気を告げられ、困惑し、不安に駆られる人は、少なくありません。十二指腸憩室とは、どのような病気なのでしょうか?原因は何でしょうか?
内部の圧力が増加して突出する
憩室とは、消化管の壁が、袋のように伸びた状態です。消化管の壁が、内側から押されたり、外側から引っ張られて、袋状に伸びたのが、憩室です。
消化管の内部の圧力が増加した時、内壁の弱い部分が外側に突出して、憩室ができます。消化管内部の圧力の増加が、憩室の原因です。
食物繊維の摂取量が少ないと、憩室が起こりやすいと言われています。
また、加齢とともに、憩室は増える傾向があります。消化管の中では、十二指腸は憩室ができやすく、十二指腸憩室の頻度は5~10%です。
ちなみに、胃憩室の頻度は、0.03~0.3%です。
十二指腸憩室は、十二指腸下行脚に好発します。十二指腸下行脚に出来た十二指腸憩室は、十二指腸憩室全体の70~80%を占めます。
そのほとんどは、ファーター乳頭という部位に発生します。ファーター乳頭付近の筋層が薄いのが、原因です。ファーター乳頭に発生した十二指腸憩室は、傍乳頭憩室と言います。
スポンサーリンク
十二指腸憩室の多くは無症状で、予後は良好
十二指腸憩室の多くは、無症状です。十二指腸憩室は、炎症を起こすことが、比較的少ないとされています。食物の通過が速いこと、相対的に細菌数が少ないことが、原因と言われています。
炎症を起こしたのが、憩室炎です。憩室炎を起こすと、出血することがあります。腹痛や発熱を伴います。穿孔を伴うこともあります。
穿孔を起こした場合は、十二指腸の消化液を含む内容物が腹腔に流出するため、腹腔炎など、厳しい症状になることがあります。
また、憩室が胆管を圧迫すると、閉塞性黄疸を引き起こします。これをレンメル症候群と言います。
無症状の場合は、特に治療をする必要はありません。経過を見るにとどめます。憩室炎の場合は、胃酸分泌抑制剤が処方されます。穿孔を起こした場合は、速やかに手術が行われます。
胆管炎が起こった場合は、胆汁をサラサラにする薬が処方されます。
今回のまとめ
十二指腸憩室は、十二指腸の内部の圧力が増加した時、内壁の弱い部分が袋状に突出した状態です。十二指腸内部の圧力の増加が原因です。
そのため、予防は、難しいところがあります。暴飲暴食を避け、食物繊維をしっかり摂るようにしましょう。
特に症状が現れなければ、治療は必要とされません。炎症を起こした場合、胃酸分泌抑制剤が処方されます。穿孔を起こした場合は、命に関わるような重篤な症状が発生するので、緊急に手術を行うことになります。
胆管炎を起こしている場合は、胆汁をサラサラにする薬が処方されます。
スポンサーリンク
↓ ↓ ↓