胃潰瘍の薬が効かない時に考えられる理由とは?
2017/03/17
胃潰瘍の薬は、以前は、医師の処方する薬に限られていました。近年は、一部の薬が、薬局でも購入できるようになりました。
医療用医薬品として使われていた薬は、安心で効果が高い薬として、よく飲まれています。そうした胃潰瘍の薬が効かない時、どのような理由が、考えられるでしょうか?
胃潰瘍の薬として使用頻度が高いH2ブロッカー
胃潰瘍の薬には、3種類あります。胃粘膜への胃酸の攻撃を弱める薬、胃粘膜の防御を強める薬、ピロリ菌を除去する薬です。胃潰瘍の患者の70~80%は、ピロリ菌に感染していると言われています。ピロリ菌の除去は、胃潰瘍を根本的に治すのに重要です。
ただし、市販薬で胃潰瘍の治療をする際、重視されるのは、胃の痛みを緩和することです。胃潰瘍の自覚症状の9割は、みぞおち付近の痛みと言われています。
食後や食事中の痛みを緩和しようとして、市販薬を求める人が、多いのが実態です。
胃潰瘍の薬として有名な「ガスター10」は、H2ブロッカーです。H2ブロッカーの正式名称は、ヒスタミンH2受容体拮抗薬。胃粘膜への胃酸の攻撃を弱める薬の一種です。
H2ブロッカーを服用する時はタバコを吸わない!それでも効かないのは×××だから⁉︎
H2ブロッカーは、胃粘膜への胃酸の攻撃を弱める薬の中では、使用頻度が高い薬になります。胃酸分泌を制御する力は、プロトンポンプ阻害薬よりも弱いものの、制酸薬よりも効果のある期間が長いのが、特徴です。弱点は、ニコチン。
H2ブロッカーは、ニコチンに弱く、タバコを吸うと、2時間ほどで薬は効かなくなります。
タバコを吸わずに服用を続けても、胃潰瘍の薬が効かないという時は、薬の種類が違う可能性があります。
胃酸が多すぎて抑えるというより、胃酸に対する胃粘膜の防御を強める必要があるケースです。胃酸に対する防御因子とは、胃の粘液です。胃の粘液が少なくなったのが原因で、胃潰瘍になることもあります。
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胃の粘液を増やす成分が含まれている薬に替えてみるのもアリ
市販の胃潰瘍の薬が効かないという時は、しばしば、胃の粘液が少なくなっている可能性があります。胃の粘液は、加齢、刺激の強い食べ物、ストレスなどが原因となって、減少します。
H2ブロッカーが効かない時、薬剤師が通常勧めるのは、テプレノンが配合されている胃薬です。テプレノンは、胃の粘液を増やす成分です。市販の薬としては、「セルベール」があげられます。
「セルベール」には、セルベックスという処方薬と同じ成分が入っています。潰瘍が出来てしまった胃組織の治りを促し、蠕動運動を補助する効果があります。2週間程度服用しても、胃潰瘍の症状が改善されない時は、他の病気が隠れている可能性があります。病院を受診しましょう。
今回のまとめ
胃潰瘍の薬として、使用頻度が高いH2ブロッカー。1997年より、一部がスイッチOTCとして、薬局でも購入できるようになりました。
H2ブロッカーは、ニコチンに弱いため、H2ブロッカーを服用している時は、タバコを吸わないようにすることが大切です。
タバコを吸わずに服用していても、胃潰瘍の薬が効かない時は、胃の粘液が減少している可能性があります。胃の粘液を増やす成分のテプレノンが配合されている薬に、替えてみましょう。
それでも症状が改善されない場合は、他の病気が隠れている可能性があります。病院を受診しましょう。
→胃潰瘍の症状をチェックする方法!胃がんとの関係性や相違点!
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